実物体の本の特性を活かしたインタラクティブな絵本による読書体験の提案

黒崎 美聡 須田拓也 串山 久美子
Misato KUROSAKI   Hiroya SUDA   Kumiko KUSHIYAMA

今日、本の電子書籍化に伴い、紙の触覚や紙が空気を切る音など紙の本特有の体験は失われつつある。このような紙の本と電子書籍との読書体験の差に着目し、本作の制作を行なった。本はページをめくることで時間と空間の把握を感覚的に行うインターフェースであると言えるだろう。「開く」「引く」「回す」など形状を見ただけで作動方法が分かる物理的な仕掛けと、ストーリーやキャラクターの動きから得られる情報的な仕掛けを用意した。それにより普段紙の絵本に対しては行わない行為を誘発させ、人の行為がストーリーに関与していくインタラクティブな体験を生み出す。ページ判定をカメラで行い、プロジェクタで動画を投影する。また電子的仕掛けを体験者に感じさせないよう、プロジェクタとカメラをデスクライトの光源部分に格納し一体化させた。以上のシステムを用いて、没入感を高め絵本の世界を拡張し、インターフェースとしての本の持つ特性を活かした体験システムを制作した。今後、絵本を用いたインタラクティブな体験がもたらす効果に期待したい。

論文 kurosaki_suda_kushiyama_インタラクション2019

メディア

ワールドビジネスサテライト  2019/4/9
http://www.tv-tokyo.co.jp/mv/wbs/trend_tamago/post_175090/

日刊工業新聞  2019/4/5
https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00512387

展示
TSUTAYA 大崎 2019/8/19-9/1
ワークショップ
TSUTAYA 大崎 2019/8/24
https://osaki0824oyako.peatix.com
https://osaki0824otona.peatix.com